中村 元風

 

1955年 石川県生まれ

1980年 ろくろの修行を始める

1981年 金沢大学大学院理学研究科生物学専攻を修了

1986年 光と色の研究を開始する

1995年 日本工芸会正会員に推挙

2004年 景徳鎮国際陶瓷博覧会に招待出品 以後連続出展(2016年まで)

2010年 景徳鎮(於 陶瓷学院)にて個展開催 日本人初

2011年 ガラス質の深紅釉「希赤」を完成 世界初

2014年 水の輝きを永遠化する釉「グレイズ」を発明 世界初

 

現代美術家・科学者 中村 元風

釉薬の基本となる色は5色。赤、黄、緑、紺青、紫 このうち赤だけは透明感や光沢がなく、発色も赤茶や朱色に限られている。

 

歴史上、赤をガラス化しようと試みた者も多いが成功に繋がることはなかった。 科学者出身の作家は、「なぜ赤にだけ輝きがないのか。創り出すことは本当に不可能なのか。」純粋に科学者としての血が騒ぐ。

 

数え切れないほどの実験を繰り返し、26年の歳月が経過した2011年、世界で初めて光沢と厚みのある深紅の釉薬「希赤」の焼成に成功。この度は作家の代名詞といえる希赤を用いた夜明け、赤富士コレクションを展示しております。

 

九谷焼発祥の地とされる石川県加賀市。 江戸時代初期1639年頃、加賀国の江沼郡九谷村(現・石川県加賀市山中温泉九谷町)から、磁器の原料となる陶石が産出せれたことからその歴史が始まる。

 

加賀国の南西、大聖寺藩を治める前田利治は茶人でもあったことから、この陶石を使って磁器を生産し、藩の産物にしようと思い立ちます。

 

家臣の後藤 才次郎を磁器製作の先進地・肥前国有田(現・佐賀県西松浦郡有田町)に派遣し、作陶技術を学ばせることにしました。修行を終えた後藤 才次郎は1655年頃 九谷村に窯を開き、田村 権左右衛門らを指導し色絵磁器の生産が始まりました。

 


 

1992年 日本伝統工芸展初入選。以後連続入選。