高松 啓二
高松 啓二氏は、これまでにテレビ番組のタイトル作画や、多くの雑誌の表紙や単行本『名探偵ポワロシリーズ』(講談社)の表紙などを制作しています。2008年には、個展「紙の女」ペーパークラフト展をフランス・パリで開催、話題を集めました。
また、西麻布で開催された「CINEMA LOUNGE 100」 ではポスター&メインビジュアルを担当(2014)し、2019年にはカリフォルニアで開催された日本新作映画祭「JAPAN CUTS HOLLYWOOD」でメインビジュアルを担当、LGBTQサムライ画が多くの方達に注目されました。2023年に公開された映画「リボルバー・リリー」ではコラボレーションイラスト作家として選出されています。著書に「シネマ・クローゼット」、「映画のメリーゴーラウンド」など。
高松 啓二氏が作り出す「ペーパークラフト」は「光と影」を巧妙に演出した作品です。「光」が当たることで出来る「影」の現れ方を考え抜き、人物に奥行きが出てくるよう背景や模様、カラーリングに至るまで全体の造形美を創り上げております。
光の当たり具合で幾重にも表情を変えてくれ、微笑んでいるようにも、囁いているようにも見える作品は、言うなれば2.5次元の世界で生きているような女性たちを産み出しています。
とくに女性ならではの艶やかで、しなやかな指先の動きに心を奪われます。また、繊細なまつ毛や髪、潤いを感じさせるような瞳と唇はそのカタチだけで、じつにさまざまな表情を作りあげています。
「当世羽田五人娘」桐生シルクオリジナルバッグについて
着物を繊細に解き、再び一枚の美しい布に戻しバッグに仕立て変えました。表裏地はもちろん、持ち手は組紐を使用しておりすべてが絹製です。日本の伝統技術である友禅や金彩、刺繍などを活かした一点ものです。
作品に使用されている用紙は、60年以上の歴史がある日本を代表する国産紙で、製紙工程で織り模様のついた特殊なフェルト(毛布)を用いることで紙の表面に転写される風合いを出しています。
この紙が作られている静岡県駿東郡長泉町は、静岡県の東部に位置し、北に霊峰富士を仰ぎ、南に駿河湾を望む、気候温暖な美しい自然環境に富んだ町です。東京からほど近い距離で、豊富な地下水、温暖な気候に恵まれた環境が人気です。その風土と技術が生んだ紙の風合いが、高松 啓二氏のつくる作品にさらに美しい憂いを与え、さまざまな人物の表情を作りあげています。
「CINEMA LOUNGE 100」 ポスター&メインビジュアルに抜擢(2014) 開催地:東京
映画祭「JAPAN CUTS HOLLYWOOD」メインビジュアルに抜擢(2019) 開催地:米国カリフォルニア
映画「リボルバー・リリー」コラボレーションイラスト作家に抜擢(2023) 開催地:東京