西中 千人

 

東京で薬科大学を卒業後、ガラスに魅せられカリフォルニア芸術大学で彫刻とガラスアートを学ぶ。その後、国外での居住経験から日本人のアイデンティティと日本文化をあらためて学び直す。

 

『不完全の美を自らの内で完成させた者のみが真の美を見出せる』 岡倉 天心「茶の本」より。その美の哲学にインスパイアされて、独自の美を追い求める。

 

リサイクルガラスの枯山水庭園を京都 法然院に奉納。英国 オックスフォード大学 アシュモレアン博物館、VictoriaAlbert Museumに呼継作品が収蔵される。毎年約2ヶ月間、過去をリセットする旅に出て、これまで世界54ヵ国を巡った。2002年から千葉県の田園地帯でガラスを熔かし、都市生活との距離を保ちながら作品制作を続ける。

 

 

大胆なヒビ割れの隙間に純金が覗く斬新なデザイン。

柔らかく熔けたガラスの動きに手を加えたゆらぎの造形。

オーロラのように輝くガラスは光そのもの、心を映し出しす鏡のよう。

自ら創った器を壊し、破片を繋いで新たな美を生み出す。

 

ヒビ割れという欠点を金で強調し魅力に変える日本固有の美意識「金継」の哲学をベースに、西中千人が解釈した唯一無二の現代の表現が「ガラスの呼継(よびつぎ)」です。影を観て光を識るように、 致命的な傷とも言える器のヒビ割れに生命の輝きを感じていただけたらこの上ない喜びです。

 

 

金色のスタジオは、房総半島 千葉県茂原市にあります。抜けるような青空と燦々と降り注ぐ太陽は、ガラスとアートを学んだ対岸のカリフォルニアとよく似ています。何にも邪魔されない自分だけの時間と空間、田んぼに囲まれた広々した工房は元バラ園でした。

 

夏は蝉やカエルの声、秋は鈴虫の大合唱、花々や果樹と触れ合いながら自由にアート表現を追求しています。羽田空港や成田空港、そして銀座から、わずか約1時間余りのところにあります。

 


 

2021年 サーキュラーアワード・サーキュラーエナジー賞

2020年 ドイツ ハンブルグ World Media Festivals 金賞

2013年  WIRED 主催 CREATIVE HACK AWARD 2013 グラフィック賞

2011年 大桑文化奨励賞 (大桑教育文化振興財団)

2008年 和歌山市文化奨励賞

1997年 第1回現代ガラスの美展 in 薩摩 大賞