中川木工芸 比良工房

 

中川木工芸比良工房では上質な国産材を用い、伝統的な桶技法によって、日常的にお使いいただける道具や、おもてなしの器を作っています。

 

桶は丸太をナタで割り、削り上げられた木片をいくつか組み合わせ、タガで締め、底の張りでバランスを取って製作します。40年ほど前までは、日本人の生活には欠かせない道具として、どの家庭でもいくつもの桶を愛用しておりました。中川木工芸では伝統的な技法はそのままに、現代の生活スタイルに合う桶をご提案しております。

 

中川木工芸は初代、亀一が丁稚奉公として働いていた京都の老舗桶屋「たる源」を独立して立ち上げました。しかし、ご飯を入れるおひつ、お風呂で使う湯桶など、当時の日本では日常的に使うものでしたが、その後、工業化が進み、扱いが楽で安価なプラスチック製品が台頭し、木桶は日常からほぼ消え去ってしまいました。

 

2代目の清司は、桶を日常雑器から工芸品、芸術品へと昇華させ、木片と木片を組み合わせ美しい木目を生かした盆を作り、桶の基本構造を覆すものながら技法を発展させ、木片を千枚以上組み合わせてデザインした「木画」の箱を多数発表しています。清司は2002年に国の重要無形文化財保持者に認定されました。

 

同時期に3代目周士が独立し、京都を離れ滋賀に「中川木工芸比良工房」を開きました。周士は、桶が日常的に、そしてグローバルに使ってもらえる道を模索。桶の構造は変えず、デザインや用途を現代のライフスタイルに合わせて発表しています。著名なデザイナーとのコラボレーション作品も生まれました。シャンパンクーラーやスツールは現在、海外でも高い評価を得ています。          

 

中川木工芸比良工房が位置する滋賀県は、日本一大きな湖、琵琶湖を中心に、東西南北、それぞれ違った特徴を持っています。比良工房が位置する湖西地域は湖と山が間近に迫り、琵琶湖から昇る朝日と、比良山系に沈む夕日が、ダイナミックで美しい景色を見せてくれます。京都から3~40分ほどの距離ですが、自然豊かで、米をはじめ、農作物の生産地でもあります。

 


 

1968年 京都市に生まれる

1992年 京都精華大学美術学部立体造形卒業

    卒業と同時に父清司(重要無形文化財保持者)に師事

2010年 世界的シャンパンメーカーのシャンパンクーラーの制作

2011年 ミラノサローネ(フォーリオサローネ)出展 以降、数回

2012年 Maison & Object出展(パリ)以降、数回

2012年 伝統工芸ユニット「GOON」に参加

2015年 L’ESPRIT D’ARTISANにて個展 (パリ)

2016年 KI-OKE STOOLV&A 美術館の永久コレクションとなる(ロンドン)

2017年 KI-OKE STOOLがパリ装飾美術館の永久コレクションとなる(パリ)

2017年 ロエベクラフトプライズ ファイナリスト選出

2021年 日本和文化グランプリ受賞(工房として受賞)

2021年 第13回創造する伝統賞受賞