松本 光太
15歳から漆芸の道に入り、重要無形文化財保持者 磯井 正美に師事。師匠からの教えにより香川県の伝統技法、蒟醬技法(きんまぎほう)を得意とする。日本伝統工芸展で賞を受賞。フランスを初め、海外での展覧会に参加し香川漆器の素晴らしさを伝える。
香川漆器の魅力を伝えるため「さぬきうるしSinra」を立ち上げ、庵治石を使った「石粉塗」を開発。その功績を認められ三井住友ゴールデン匠賞奨励賞を頂いた。2023年には香川県の伝統を受け継ぐものとして香川県伝統工芸士に任命される。最近では、蒟醬だけではなく香川五技法すべてを使用し、作品作りを進めている。
香川漆器とは、玉楮象谷(たまかじぞうこく)を祖とし、江戸時代から続く伝統技法です。蒟醬(きんま)存清(ぞんせい)彫漆(ちょうしつ)後藤塗(ごとうぬり)象谷塗(ぞうこくぬり)の国指定の香川伝統技法を要し、模様を表現します。
その五技法にカラフルな色漆を使う事も一つの特徴で、漆器ではあまり見ない色彩の鮮やかさがあります。松本の得意とする蒟醬技法は、漆を塗り重ねた上に、蒟醬剣にて模様を彫り、その彫った部分に色漆を装填し、研ぎだす事により模様を表現する技法です。
日本で一番小さな県、香川県。しかし重要無形文化財保持者(人間国宝)を4人も排出した漆芸大国です。高等学校から漆芸を学べ、漆芸教育の行き届いた県でもあります。江戸時代、松平藩への献上品として発展した香川漆芸。
その伝統を今に伝え、革新と閃きを持って次世代に伝えています。松本もその一人。高等学校で漆芸に出会い、その時から「漆」の魅力に取りつかれています。静かな瀬戸内の小さな県で、香川漆芸は育まれています。
2006年 日本伝統工芸展 奨励賞 受賞
2009年 香川県文化芸術新人賞 受賞
2022年 三井住友ゴールデン匠賞 奨励賞 受賞
2023年 香川県伝統工芸士 認定
日本工芸会 正会員