秀山窯 里見 武士
幼少期から先代の祖父、父の作陶を見ながら育ち、窯大を卒業後ニュージーランドへ研修に行き、本格的に秀山窯へ入る。小石原の陶土を轆轤挽きで成形し、現代の生活に合う、暮らしに寄り添う器であるように、日々土に向い作陶をしています。時代とともに移り行く生活スタイルの中でも風化しない、いつの時代にも手から手へお使い頂ける器でありたい。先代から受け継ぐ釉薬 Shuzan blueの表情にもその時代の感覚を重ねるよう作陶を続けています。
継承を続ける釉薬 Shuzan blue。共に作陶をするパートナーと今までの藍色の釉薬の表現の幅を広げ、深海の様な蒼、夜空に掛かる天の川の様な光景を思わせる作品表現を夫婦共に日々作陶致しております。
400年の伝統を紡いできた小石原焼は、1975年に豊かさと潤いをもたらす生活用品として、陶磁器として初めて伝統的工芸品に指定されました。今日でも「暮らしの中で使われる器の美」を追求しつづけ、伝統の上に、新しい歴史を築いています。
1975年より生まれた、Shuzan blueは50年余りに渡り、初代秀治 二代目重信 三代目武士へと伝承され現在に至ります。この藍色を先代から子へ、子から孫へ受け継いでお使い頂く事。それこそが、私たちの喜びです。
初代秀治は、民芸運動が広がる中、柳 宗悦、バーナード・リーチらが小石原焼きを訪れ、小石原焼きの飛び鉋、刷毛目、流し掛けといった技法に触れ「用の美の極地」と賞賛した頃、轆轤職人として渡り、小石原焼きの作陶を始めました。
その後昭和49年秀山窯を開業し、独自の釉薬を生み出す為、 (釉裏紅)辰砂釉薬、油滴天目など釉薬の持つ表情を追求しました。暗中模索を繰り返しながら没頭する日々、そんな作陶の毎日を送って数年後、ある日窯出しをした器に小石原焼の灰釉や緑青釉、辰砂釉、天目、灰色や緑、赤や黒どの色とも違った青の表情を持つ器が生まれていた。秀治は驚きまた喜び偶然に出た藍色の釉薬を追求し、Shuzan blueの礎を築きました。
1975年 誕生
1994年 佐賀県立有田窯業大学校ろくろ科入学。同大学校卒業後、父 重信に師事。
1998年 県展入選(以後二度入選)
1999年 ニュージーランド ネルソンに作陶留学。
2003年 西日本陶芸美術展 第二部用の美部門 優秀賞受賞。
2007年 天草陶磁器展 小川哲男賞受賞。
2011年 西日本陶芸美術展 第二部用の美部門 優秀賞受賞。
2015年 西日本陶芸美術展賞 入選。現在に至る。