岸野 田
掛け軸などを仕立てる技術は、10年ほど専門的な工房で学ぶ必要があります。技術だけでなく、茶道の文化や日本画、書道なとの知識についても理解しなくてはいけません。私も書道専門の大学へ通ったあと、表具工房で10年近く学び、独立して10年になります。
古くから伝わる技術をしっかりと残しつつ、新しい掛け軸などのあり方も考えています。
「表具」とは和紙などに描かれた絵画や書を掛け軸や額装、屏風、巻物などに仕立られたもの、またそれらを作る専門の仕事をする職人を「表具師」と言います。掛け軸は、中国から1000年以上前に伝わり、日本の茶道の文化のはじまりとともに更に隆盛しました。材料は和紙と糊、”裂地”と呼ばれる着物と同じような技術で作られる織物を、装飾として使います。この現在にも残る日本の文化、技術、感覚をさらに後世へ繋げていこうと思っています。
長野県安曇野市は、東京から車で3時間ほど。北アルプスなどの3000メートル級の山々に囲まれた自然豊かな土地です。特産はワサビ、りんごやブドウなど。ワイナリーも各地にあり、親しまれています。