奈良 美智
青森県弘前市生まれ。愛知県立芸術大学大学院修士課程修了後、1988年渡独。国立デュッセルドルフ芸術アカデミーで学んだ後、ケルンを拠点に世界各地で作品を発表し、特徴的な眼差しの子供をモチーフにした、ドローイングや絵画で知られるようになる。1999年頃には、世界的に評価される現代美術作家となり、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やロサンゼルス現代美術館に作品が所蔵されるなど、日本の現代美術の第2世代を代表する一人となる。2000年帰国。2006年から栃木県那須塩原市在住。2021年から翌年にかけてロサンゼルスのLACMAで大規模な個展が開催された。
奈良美智のアート作品の大きな特徴は、丸みのある輪郭を持った可愛らしい少女をモチーフにした作品が多いことです。絵画やドローイングで言えば、睨みつけるような目をした女の子を描いた作品等、奈良のトレードマーク的なものとして広く知られますが、立体作品においても、少女を題材とした作品が大半を占めます。その一方で、犬などの動物を題材としたものも見られます。純粋無垢で無邪気さ等を、感じさせる造形を展開しつつも、その中にどことなく悪魔的な要素(潜在的な怒りや孤独感等)を盛り込んだ作品は、奈良独特のモチーフです。
日本文化の特質として、日本は古来から外来文化をすばやく取り入れ、そこに独自の洗練を加えることで、創造性の高い文化としてアレンジしてきた歴史があります。奈良美智は、西洋画の肖像画をベースに、日本のマンガやイラストレーションに見ることのできるデフォルメの手法等を盛り込むことで、日本独自のポップアートに昇華させています。このように日本の風土から生まれた、二次創造としての文化遺伝子は、奈良美智の美術に脈々と継承されています。
2021 amfAR Award of Excellence for Artistic Contributions to the Fight Against AIDS
2017 愛知県芸術文化選奨 文化賞
2016 2016 Asia Arts Awards
2014 第67回東奥賞
2013 平成24年度(第63回)芸術選奨 文部科学大臣賞(美術部門)
2010 The International Center in New York(現・International Center of Catholic Charities Community Services)から賞を受ける
1995 平成6年度名古屋市芸術賞 芸術奨励賞