村上 隆

 

東京都生まれ。1986年東京藝術大学美術学部日本画科卒業。1993年同博士後期課程修了。アーティスト、キュレーター、コレクター、映画監督、会社創業者といった様々な顔を持っている。2000年に渋谷パルコギャラリーで自身がキュレーションしたグループ展「SUPERFLAT」を開催し、日本の伝統絵画における平面性と、マンガ、アニメなどの現代文化を接続させた「スーパーフラット」セオリーの提唱者であり、実践者である。ルイ・ヴィトンとのコラボレーションなどで世界中に幅広いファンをもつ。『©MURAKAMI』が2007年から欧米4年を巡回。ヴェルサイユ宮殿(フランス)、アルリワク展示場(ドーハ)など世界中で個展多数。  

 

村上隆は「スーパーフラット=超平面」という独自の解釈による概念を提唱するアーティストである。日本の大和絵や水墨画などの伝統的な日本絵画と、現代の和製マンガやアニメーションには、ともに遠近感が欠落していることに着目し、その平坦な構図を日本美術の優位性として読み替えていく強い戦略性を持っている。「スーパーフラット」概念は日本画の歴史意識が強く影響しているが、同時に本来はアメリカ生まれであるオタク文化に着目することで、独自に和様化されていったプロセスに敗戦国である日本のコンプレックスを重ね合わせた、複雑な構造による視点で制作を続けている。

 

日本文化の特質として、日本は古来から外来文化をすばやく取り入れ、そこに独自の洗練を加えることで、創造性の高い文化としてアレンジしてきた歴史があります。 村上隆の提唱する「スーパーフラット」も、このように日本の風土から生まれた、二次創造としての文化遺伝子の表れのひとつであり、村上隆以降の日本の現代アーティストたちに脈々と継承されています。

 


 

2005年:文化芸術賞(ニューヨーク/ジャパン・ソサエティー)

2006年:第11回AMDアワード功労賞受賞(Digital Contents of The Year’05)/第56回芸術選奨文部科学大臣新人賞 受賞

2006年:「ベスト展覧会」受賞(ニューヨーク/AICA

2008年:GQ Men of the Year 2008受賞

2008年:TIME誌「 Time The Most Influential People In The World100」に選出

2016年:第66回芸術選奨文部科学大臣賞受賞