草間 彌生
長野県生まれ。前衛芸術家。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作する。1957年渡米、巨大な平面作品、ソフトスカルプチャー、鏡や電飾を使った環境彫刻を発表し、ニューヨークのアート界に衝撃を与える。1960年代後半には、ボディペインティング、ファッションショー、反戦運動などで多数のハプニングを行う。1993年帰国後も、絵画だけでなく小説や詩集など精力的に創作を続け、世界中の主たる美術館で個展を開催する。一貫した信念に基づく70年にわたる活動により、世界で最もリスペクトされるアーティストの一人である。
水玉(ドット)を網目(ネット)は、草間作品の中核をなす重要なモチーフです。草間は絵画や彫刻、その展示空間全体や自分自身にも水玉を施す「自己消滅」(セルフ・オブリタレーション)のインスタレーションを、ハプニングという表現に発展させていきます。また1980年代後半以降、かぼちゃなど屋外のパブリックアートも多く制作しますが、水玉は文字どおり草間の世界的なアイコンとなります。「私も水玉、あなたも水玉。すべての生命、地球さえものが、宇宙に浮かぶひとつの水玉」と草間は言います。それぞれ唯一無二の存在として、愛のメッセージとして、草間の水玉は、「永遠の魂」として、世界中に発信され続けるでしょう。
日本文化の特質として、日本は古来から外来文化をすばやく取り入れ、そこに独自の洗練を加えることで、創造性の高い文化としてアレンジしてきた歴史があります。このように日本の風土から生まれた、二次創造としての文化遺伝子は、日本の現代アーティストたちに脈々と継承されています。
1995年: オーストラリア、シドニーのニューサウスウェールズ大学から名誉博士号を授与
2004年: フランス政府より芸術文化勲章オフィシエを受章
2008年: アメリカのニューヨーク近代美術館(MoMA)で回顧展を開催
2010年: 日本芸術院賞を受賞
2016年: 文化勲章を受章、日本の文化功績に対する最高の栄誉を授与
2018年: 草間の活動が国際的に評価される。ニューヨークのギャラリーで開催された展示会が大きな注目を集める。
2021年: 草間彌生の「わが永遠の魂」が評価され、世界中で展覧会が行われる。
2022年: アート界で最も影響力のある女性アーティストとして、複数の国際的なアワードにノミネートされる。