蒼野 甘夏

 

凛とした佇まい。1973年北海道生まれの蒼野甘夏(あおの あまなつ)の作品を一言で表現するとしたら、先ずは此の言葉が思い浮かぶ。すっきりした画面構成に艶やかで生き生きと描かれた人物や動植物。品格に溢れ、遊び心も充分で、見ていると心が弾んでくる。主要モティーフ以外の描写は、極めて記号化された表現になっている。そのことが一層のクールさを加え、デザイン的な美しさを際立たせている。日本画の伝統技法を用いながら、現代的なモティーフ、現代的な表現を取り込んでいる。

 

 

ほぼ独学で日本画の古典技法を学んだ蒼野甘夏は、伸びやかで繊細な筆致で独自の幻想世界を描く。日本画の伝統を独自に解釈し、シンプルな画面構成に艶やかでノスタルジックで、妖精のような現代日本女性を描いています。夢を描き出すようなつもりで絵を描く蒼野は、自分自身が見たいものをできるだけ素直に丁寧に描くよう心がけています。日本画の伝統技法である紙本彩色(和紙、墨、水干絵具、岩絵具)で制作されています。日本を代表する伝統工芸の街、石川県金沢市で制作された日本画です。

 

 


 

1973年 北海道生まれ

北海道女子短期大学工芸美術科卒業

2011年 第30回損保ジャパン美術財団選抜奨励展(FACE展)にて秀作賞受賞

2013年 VOCA展に入選(上野の森美術館/東京)

2015年 第6回「東山魁夷記念 日経日本画大賞展」に入選(上野の森美術館/東京)

2018年 第7回「東山魁夷記念 日経日本画大賞展」に入選(上野の森美術館/東京)

2019年 北海道文化奨励賞受賞(札幌)