佐藤 舞梨萌

 

佐藤舞梨萌の作品は、花のある風景を基に、具象と抽象というカテゴリーから自由になることで、油彩を用いた色彩とマチエールの関係性を対象にした、「未来」への絵画空間を探求しています。幼少の頃から、眩しい光を映し出す風景や、月や星々に照らされた景色、日本の四季のうつろう自然に心を魅了されてきた佐藤の描く色彩は、とても繊細に、隣り合う色で放射の力を強めたり弱めたり、無限に変化していきます。

 

 

花や風景を描いています。花、それは、私にとって希望の象徴です。陽光を浴びる植物の輝き、夜の植物の神秘、花は目に見えない光の生命力を纏っているように思います。制作において、花咲く場所や野山に足を運び、出逢った風景を基に、自然への畏敬の念、そして、理想の心象風景としての要素を取り入れ、色彩とマチエールの調和を、魂の輝きに続く道として描いています。

 

 

日本文化の特質として、日本は古来から外来文化をすばやく取り入れ、そこに独自の洗練を加えることで、創造性の高い文化としてアレンジしてきた歴史があります。佐藤舞梨萌は印象派の風景画、戦後アメリカの抽象表現主義の筆致を自らの自然観を具現化するために引用しつつ、唯一無二の絵画として昇華させています。

 

このように日本の風土から生まれた、二次創造としての文化遺伝子は、日本の現代アーティストたちに脈々と継承されています。

 


 

最近の主な個展

2022年 「たましいの庭」 GALLERY KTO , 東京

2023年 「透明な青い鳥」 GALLERY KTO , 東京

2024年 「MIRRORemmy art + , 東京

 

受賞歴

2010年 第23回日本の自然を描く展 入選 上野の森美術館

2011 ACTアート大賞展 佳作 The Artcomplex Center Tokyo

2012 ACTアート大賞展 審査員特別奨励賞 The Artcomplex Center Tokyo