奥田 雄太
日本とイギリスにてファッションデザインを学んだのち、ファッションブランドでデザイナーとして活動。2016年にアーティストに転向した奥田雄太は国内での個展やグループ展に精力的に参加し、製作と発表を続けキャリアを築き上げている。
計算した線のみで構成された細密画で表現していたが、ここ数年「偶然性」に重きを置いた”花”の作品を中心に発表を続けている。さまざまな色味で表現される花はポップなイメージが強いが、花びら一つ一つに緻密な線描が施されている。彼自身、花に見えなくてもいいと語るそれは確かに具象としての花ではない。作家が「自己をサルベージ(救出・救助)する」なかでたどり着いた、幼少期の記憶がもととなっている。
コロナ禍をきっかけに日々の当たり前だと思っていたことが、実は特別な出来事だったと気付き、その当たり前に感謝し、その思いを作品にしたいと思いから’with gratitude’というテーマで、鑑賞者に感謝を伝える「花」を描いています。絵の具の混ざった偶発的な部分を、極細のペンでアウトライン化していくことで『偶然』を『必然』変えていくような描き方をしている。作品の表現手法はここ数年で、計算した線のみで構成された 細密画から、「偶然性」をテーマとした作品へと変化してきており、墨のにじみや、アクリル絵の具の混ざり具合から 偶然に生まれた凹凸の中からアウトラインを抽出し花などのモティーフを描いていきます。
奥田雄太は、日本の美術や文化に通底する、「型の思想」を現代的な視点から再考し、作品化しています。武道や茶道、庭園美術や盆栽など、日本文化には自分自身を律し、整えることで生まれる美しさがあります。同時に、日本文化の中に見ることのできる「見立て」や「なぞらえ」などの文化的特質は、永く日本の土壌の中で根付いてきました。奥田雄太は世界を俯瞰で見渡し、時として訪れる不条理においても日本人としての冷静さを保ち、人間としての美しさを失わないことの重要さを根底に絵画を描いています。
2010- M.A. Fashion Design Course, ISTITUTO MARANGONI, London, U.K. 卒業
〈展示会歴〉
2022 03 21 – 05 15 茨城の常陸国出雲大社にあるGallery桜林にて<個展>を開催
2022 03 10 – 13 Art Fair TokyoにMizuma Art Galleryより参加
2022 03 04 – 27 六本木のA/D Galleryにて<個展>を開催
2022 02 11 – 13 ART NAGOYA 2022にTomohiko Yoshino Galleryより参加
2022 01 19 – 23 LA Art ShowにMizuma Art Galleryより参加
2022 01 14 – 02 20 シンガポールのMizuma Galleryにて<個展>を開催
2021 11 07 – 12 31 上海のHWA’S 華氏画廊にてグループ展に参加
2021 10 06 – 11 07 NYのMizuma & Kipsにて<個展>を開催