加藤 泉

 

東京と香港を拠点に活動するアーティスト。胎児、昆虫、子供、植物、人間などの中間を思わせる、原始的で匿名的な生命体を主なモチーフとして、有機的なフォルムを特徴とする油彩画や木彫を制作。近年はソフトビニール素材を用いた立体作品やリトグラフなどにも取り組んでいる。

 

絵画を中心に、木彫などの立体を制作する加藤泉の作品は、人型ではあるが、人間のみならず、自然、動物、精霊などイメージが広がる。その作品の特徴として、「プリミティブな」「不思議な有機物を持つ」「力強く生命力に溢れた」「不気味な」「星形の生命体」「幼形成熟したキモカワイイ裸の人と植物」といった表現がなされる。

 

古い遺跡から発掘された精霊のような、また異星人のようにも見える加藤泉の作品は、生誕地である島根のドメスティックな歴史と風土が関係しているように思われる。古代神話の舞台である出雲地方の独特な場所が、ひとつの文化遺伝子として加藤泉の造形に不思議な力を与えている。

 


 

1969年島根県生まれ。主な個展に、「加藤泉−LIKE A ROLLING SNOWBALL」(ハラミュージアム アーク/原美術館, 2019年)、「IZUMI KATO」(ギャラリーペロタン上海, 中国, 2019年)など。2022年には、『ハワイ・トリエンナーレ2022』、『A SUMMER IN LE HAVRE』(フランス)に参加する。