KYNE
1988年福岡生まれ。2006年ごろから福岡で活動を開始。2010年頃に、シンプルな背景に女性を描く作風が確立する。2020年には、福岡市美術館に壁画作品『Untitled』を描き、話題となる。近年は海外からも注目を集めている。
クールでスタイリッシュ、そしてどこか芯の強さが感じられるアイコニックな女性像がKYNEの作品の特徴である。大学は日本画を専攻し、平面的で動きの少ない絵の方向性に興味を持つ。村上隆をはじめ、日本画出身の現代アーティストの風向と並行してグラフィティにも影響を受ける。KYNEの都会的ファッション的なテイストがあるのはそのためである。
KYNEは東京を中心とした美術のコミュニティからあえて地方である福岡を拠点に活動を続けている。SNSの普及もあり、東京一極集中の場所から距離を置くことで見えてくることを体現することで、アートシーンの先頭をキープしようとする制作の姿勢と方向性は、極めて現代的である。
2019年の「アートフェア東京」で、KYNEの作品をめぐってコレクターたちが作品の取り合いになる。それ以降、日本のアートシーンで爆発的な人気を集める。2024年に福岡市美術館で開催された大型個展「ADAPTATION−KYNE」は評判を呼んだ。