浜本 孝志

香川県の伝統工芸士・浜本孝志氏による作品です。釘を使わず、木を組み合わせて作る「指物」の手法で、文箱や茶道具、桐箱などを制作しています。

一見すると継ぎ目のない木工品に見えますが、その奥では多面体が精緻に組み合わされており、表面には組木の象嵌や杢目を浮き立たせる摺り漆・金彩などが施されています。独特の杢目や色合いなど、悠久の時を経た樹々の豊かな表情を楽しめる作品です。

 

1937年生まれ、香川県高松市出身の木工作家です。指物師・真鍋辰次や人間国宝・大野昭和斎に師事し、指物の技術を学びました。香川県の伝統工芸士にも認定されています。「どんな木でも、その木を活かす人間になれ」という師の言葉を胸に、長年木と向き合ってきた浜本氏。新しい作品を作るときには、数カ月間も材料となる木を見つめ、完成した姿を頭の中で描き上げると言います。

木を見つめ、木の声を聞き、木の力を信じ、作品に仕立てていきます。さまざまな樹種の木で制作される作品を見ると、杢目美しさや組木の精密さに圧倒されます。日本伝統工芸展で累計23回もの入選をはたすなど、数多くの賞を受賞しています。

 

気候が温暖で雨の少ない香川県では、昔から良質な木材がとれ、数多くの木工品が作られてきました。江戸時代には、高松藩主である松平家が茶道・書道に付随して漆芸や木工芸を振興・保護したことをきっかけに、産業として発展しました。また、桐箱などの「指物」も香川県では古くから寺社仏閣の宝物箱として重宝され、茶器や陶器入れとして庶民の生活に浸透してきました。木目が美しく光沢があることから、現在では贈答品の入れ物としても広く使われています。

 



日本工芸会正会員

・一九三七年 香川県高松市生

・指物士 眞鍋辰次氏に師事

・人間国宝 大野昭和斎氏に師事

・日本伝統工芸展(二十三回)入選

・日本伝統工芸木竹展九回入選

・香川県美術展覧会連続三十回入選

・香川県美術展覧会教育委員会奨励賞二回受賞

・香川県美術展覧会会長賞

・日本工芸会四国展 磯井如眞賞受賞外七回受賞

・日本工芸会四国展鑑査員 特待者

・香川県伝統工芸士認定

・香川県伝統産業技芸功労彰受賞