浅野 絵莉 × 関 美怜

「堆漆(ついしつ)」という、顔料を混ぜた色漆を一日一回、数十から数百回塗り重ねて色漆の層(100回で約3mm)を作り、その層を彫り下げることによって文様を浮き彫りにする技法で作られたジュエリーです。 彫りそのものによる立体感と、彫りの深さによって見え方が変化する色が独特の美しさを生み出します。中国の宋・元の時代に起こり室町時代に日本に伝来、堆朱や堆黒と呼ばれ茶の湯を中心に重宝されました。 顔料の発達により、現在では様々な色漆が使われ、「堆漆」としてより鮮やかなものがつくられています。 
その堆漆の特徴である重なった色の層を生かしたジュエリー。

 

 

浅野絵莉と関美怜による伝統的な香川の漆芸技法を用いたブランドです。 同時期に東京藝術大学で学んだのち、香川に移住し讃岐漆芸の伝統技法を習得した浅野と、コンテンポラリージュエリーの道に歩んだ関の二人で、2023年から共作に取り組んでいます。 

 

浅野 絵莉 

1986年東京都生まれ。東京藝術大学工芸科にて漆芸を専攻後、香川県に移住し、香川県漆芸研究所で讃岐漆芸伝統技法の彫漆、蒟醤、存清を学ぶ。「漆芸家100人 現代 日本の精鋭たち」2024年発行(阿部出版)掲載。 

 

関 美怜 

1984年千葉県生まれ。東京藝術大学工芸科にて漆芸を専攻。修了制作の身に着ける漆芸作品が買い上げ賞を受賞し、以来今日まで一貫して漆を用いて身体と装飾品の関 係を問うコンテンポラリージュエリーを制作し続けている。蒔絵・螺鈿・髹漆といった漆芸の伝統技法を現代的な装飾芸術表現に用いており、2019年にはコンテンポラリージュエリーの世界最大規模のコンペディションSchmuckにて出品作品「slit」がグランプリであるHerbert-Hofmann-Prizeを受賞。 

 

 

堆漆は、一日一回漆を塗り、積層した色の板をつくることから始まります。 気候が温暖で自然災害の被害が少ない香川県だからこそ、 毎日同じ仕事をくりかえしくりかえし、美しい色を重ね塗ることができるありがたみを感じています。 晴れた日も雨の日も、嬉しい日も悲しい日も、毎日の積み重ねが、鮮やかな色の重なりになるのです。 

 

  



2023年 伊丹国際クラフト展入選

2024年 SCHMUCK(ドイツのコンテンポラリージュエリーコンペ)入選 Nordenfjeldske

Kunstindustri-Museum (ノルウェー)収蔵