大森 優太
1994年、東京都に生まれる。早稲田大学を卒業後、広告代理店・博報堂に入社し、5年間にわたり勤務。陶芸家を志し、2023年に三重県伊賀市へ移住。現在は、現代アーティスト兼陶芸家の安永正臣氏のもとでアシスタントとして働きながら、自らの作陶にも励んでいる。

釉薬を用いず、高温で焼き締める技法である伊賀焼は、力強さと素朴さの混じり合う独特の風合いが特徴である。伝統的な手法にこだわることのない、自由で偶然性が生む感情表現に新たな美を見出していく伊賀焼を、まだ未分化だが、自分独自の陶芸の道を歩み出そうとする大森が選んだ意義は大きいと想像する。若く、まだ荒けずりながらも、天性のバランス感覚が光る、将来を嘱望される新人陶芸家である。

大森優太が制作する伊賀焼は、三重県伊賀市周辺で生まれた陶器で、奈良時代に始まり、桃山時代に茶陶として発展した。釉薬を用いず高温で焼き締める技法により、薪の灰が自然にかかって生まれるビードロ釉や窯変が特徴となった。手びねりや叩きによる歪んだ造形には力強さと素朴さがあり、茶人たちはそこにわび・さびの美を見出した。江戸時代に一度衰退したが、昭和以降に再評価され、多くの陶芸家が伊賀の地で活動を続けている。現在では伝統的な茶道具に加え、現代的な食器やオブジェも制作されており、土と火が生む偶然の美が今なお人々を魅了している。


