加藤 重髙

加藤重髙は1927年、愛知県瀬戸市に加藤唐九郎の三男として生まれた。15歳頃から父の助手として作陶を始め、戦後は個人作家として活動を開始。瀬戸の伝統技法を中心に信楽・唐津なども手がけ、1958年の新日展初入選を皮切りに各種公募展で受賞を重ねた。1968年には広島県宮島町役場に初の陶壁を設置する。1971年以降は個展中心に切り替え、茶陶や陶壁作品を発表。活動は日展時代、父の助手時代、独自作風を確立した晩年の三期に分かれる。特に刻文や鼠志野による造形に独自の世界を築き、陶壁作家としても知られた。

 

 

加藤重髙の作風は、瀬戸の伝統技法である灰釉・鉄釉・志野・織部・黄瀬戸を基盤としながら、信楽や唐津にも幅を広げた多彩な表現に特徴がある。素材としての土の質感を重視し、叩きや刻文を用いた彫りの深い造形で独自の世界観を築いた。とくに晩年には鼠志野に見られる独特の釉色とマチエールを活かし、茶陶においても強い個性を発揮した。また、建築空間に呼応する陶壁の制作にも力を入れ、装飾性と構成美を兼ね備えた大作を多数残した。父・唐九郎の影響を受けつつも、表現においては独立した立場を確立し、土と炎が生む自然なゆらぎを造形の中に取り込んだ点に重髙の美意識が表れている。

加藤重髙は、瀬戸焼に伝わる灰釉・鉄釉・志野・織部・黄瀬戸を中心に用い、そこに信楽焼や唐津焼の素朴さも取り入れるなど、地域と時代をまたいだ表現を行った。特に「鼠志野(ねずみしの)」と呼ばれる、灰色の表情を持つ釉薬を使った作品群は、加藤重髙の代名詞ともいえる。

 


 

1958年 第1回新日展 入選

1963年 第1回朝日陶芸展 入選

1964年 第2回朝日陶芸展 入選

1965年 第3回朝日陶芸展 受賞 第4回日本現代工芸美術展 入選

1966年 第4回朝日陶芸展 受賞 第9回日展で特選北斗賞

1967年 第5回朝日陶芸展 入選 日本陶磁協会賞

1968年 第6回朝日陶芸展 受賞

1969年 第7回朝日陶芸展 入選

1970年 日本現代工芸展で工芸賞