後藤 純男

後藤純男は、1930年に千葉県関宿町(現在の野田市)で真言宗の住職の家庭に生まれた。幼少期に埼玉県松伏町へ移り、16歳のときに日本画家・山本丘人に師事した。その後、田中青坪にも師事し、本格的に画家を志すようになった。後藤は、日本画の伝統を受け継ぎながら、自然の雄大さと人間の精神性を力強く描き出した日本画壇の巨匠である。

 

後藤純男の作品は、仏教的な壮厳さと自然美が融合した風景画が特徴である。法隆寺や大和古寺、北海道の渓谷・滝などを題材にし、自然の大きさや歴史の重み、祈りの精神を感じさせる画面構成が魅力。見る人を圧倒させつつ、心の奥へと語りかけるような深い祈りを宿している。

 

日本画は、日本の伝統的な絵画様式で、主に和紙や絹に、自然由来の岩絵具や墨を使って描かれるのが特徴だ。平安時代の「やまと絵」に始まり、狩野派、琳派、浮世絵など様々な流派が発展してきた。四季の移ろいや風景、花鳥、人物などが主な題材で、写実性よりも詩的な表現や余白の美を重視する傾向がある。線の美しさや静けさ、簡潔さが際立ち、西洋画とは異なる独自の美意識が息づいている。伝統を重んじながらも、現代の日本画家たちは新しい技法や表現にも挑戦し、進化を続けている。

 

 


 

1952年 再興第37回院展 入選

1962年 再興第47回院展 奨励賞・白寿賞・G賞

1965年 再興第50回院展 日本美術院賞・大観賞

1969年 再興第54回院展 日本美術院賞・大観賞

1976年 再興第61回院展 文部大臣賞受賞

1986年 再興第71回院展 内閣総理大臣賞

2006年 旭日小綬章

2016年 第72回日本芸術院賞・恩賜賞