福王寺 法林
1920年に山形県で生まれた福王寺法林は、幼少期に事故で左目を失明するという大きなハンディキャップを背負いながらも、画家としての道を歩み始める。8歳で狩野派の流れをくむ上村廣成に師事し、早くから才能を発揮。1949年に日本美術院展に初入選し、美術評論家・今泉篤男や画家・田中青坪の指導を受ける。自然の雄大さと精神的な深みを描き出す作品で高く評価された作家であり、彼の画風は、写実的な自然描写と、厳しくも優しい精神性を併せ持つのが特徴。
福王寺法林の画風は、どっしりとした構成と落ち着いた色調を基調としつつも、非常に繊細な筆致で山や雲、水の流れ、岩肌の質感などを描き込む特徴がある。その一筆一筆には、自然への畏敬と慈しみが込められており、壮大であると同時に、静かで温かみのある世界を作り上げている。
日本画は、日本の伝統的な絵画様式で、主に和紙や絹に、自然由来の岩絵具や墨を使って描かれるのが特徴だ。平安時代の「やまと絵」に始まり、狩野派、琳派、浮世絵など様々な流派が発展してきた。四季の移ろいや風景、花鳥、人物などが主な題材で、写実性よりも詩的な表現や余白の美を重視する傾向がある。線の美しさや静けさ、簡潔さが際立ち、西洋画とは異なる独自の美意識が息づいている。伝統を重んじながらも、現代の日本画家たちは新しい技法や表現にも挑戦し、進化を続けている。
1949年 第34回 日本美術院展 初入選
1955年 第40回日本美術院展 奨励賞・白寿賞
1956年 第41回日本美術院展 院次賞・大観賞
1957年 第42回日本美術院展 院次賞・大観賞
1960年 第45回日本美術院賞・大観賞
1965年 第1回山種美術財団賞
1971年 第56回日本美術院展 内閣総理大臣賞
1977年 第61回日本美術院展 芸術選奨文部大臣賞
1984年 第68回日本美術院展 日本芸術院賞
2004年 文化勲章