石塚 隆則
1970年神奈川生まれ。見えない「もの」や「こと」を可愛らしい動物のキャラクターにしてドローイングや絵画、彫刻そしてインスタレーションなど、幅広い作品制作を展開している作家。コミカルで奇矯な動物たちが織り成す作風は国内外で高く評価されている。
主な展覧会に「飛天」(ROPPONGI HILLS A/D GALLERY、2018)、かけがわ茶エンナーレ(2017)、「totem」(nca | nichido contemporary art、2014)、「神宮の杜芸術祝祭」(明治神宮ミュージアム、2020)、Discovery “Hide and Seek Kakurenbo” (ふわりの森,2021)「光射す公園」(Nazukariwarehouse 2022)「SMALL REBOOTS」ヴォイヴォディナ現代美術館(セルビア2022)などがある。作品は東京都現代美術館、笠間日動美術館にも収蔵されている。
可愛らしい動物の姿を通じて、現実にありながら目に見えない「もの」や「こと」を表現する。これらの動物たちは身近な存在でありながら、人と動物、過去と現在、都市と自然といった境界に立つ存在として提示され、日常のなかで見落とされていく気配や記憶が可視化されている。木を削った後を残しながら、愛らしいしぐさなどが伝わるのは木彫の高い技術力があることの証である。

石塚隆則は、神奈川県の生まれ育った土地にアトリエを構え制作を行う。その場所はかつては山や畑が広がるのどかな地域だったが、開発により住宅地や整備された川へと姿を変えた。急速な変化のなかにも、かつての風景の記憶や、土地に染みついた気配が微かに残っている。この場所は、「過去–現在」「田舎–都会」など二つの相反する顔が共存する場所でもある。石塚は、このような両面性やその境界線を意識しながら制作を行っている。