オールドノリタケ
オールドノリタケとは、名古屋市にある日本を代表する陶磁器ブランド・ノリタケが1800年代末から第二次世界大戦までにアメリカへ輸出していた初期の製品のことである。日本の陶磁器の技術力を海外に示すため、一点一点手作業で、手間のかかった作品が多い。ヨーロッパの装飾技法やデザインを積極的に取り入れ、テーブルウェアや装飾品など、美しい絵付けや精巧な細工が特徴である。
オールドノリタケのデザインには、アールヌーヴォー様式とアールデコ様式の2つの種類がある。素材には白磁や硬質陶器が用いられ、高温焼成により軽量でありながら丈夫な質感を持つ。装飾は手描きの金彩や色絵が中心で、花柄や風景、人物などの西洋風モチーフが多く、型押しやレリーフを施した立体的なデザインも見られる。色彩は鮮やかで赤・青・緑・金が多用され、細部まで精緻に描かれる。底面にはバックスタンプ(裏印)があり、年代や工場の系列を判別できる。美術的価値が高く、コレクターズアイテムとしても人気がある。

明治維新以降、日本は欧米諸国との貿易を積極的に拡大し、高級陶磁器の輸出が盛んになった。特にオールドノリタケは、高品質の白磁と精緻な装飾で欧米市場の需要に応えた。名古屋や佐賀などの窯元で生産され、横浜・神戸・長崎の港からアメリカやヨーロッパへ輸出され、百貨店や富裕層に広く流通した。これにより、日本の陶磁器技術やデザインの革新が促され、国内文化の発展にも寄与した。また、国際展示会でも高く評価され、オールドノリタケは日本陶磁器のブランドとして世界に認知される契機となった。