塚田工房

 

塚田工房は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品「江戸木目込人形」を原型から一貫して手掛ける東京・向島の工房です。伝統工芸士・塚田詠春氏を中心に、桐塑(とうそ)や胡粉といった天然素材を用い、江戸・明治時代の希少な古代裂(こだいぎれ)をまとう「衣裳一点物」の人形を制作しています。二重木目込などの高度な技法を駆使し、伝統を守りながらも「The Wonder 500」の受賞やすみだブランドの認証を受けるなど、現代に響く美意識を発信し続けています。緻密な手仕事から生まれる温かみのある造形は、世代を超えて愛され、家族の節目に彩りを添えています。

 

 

塚田工房が手掛ける人形は、縫い目のない滑らかな曲線美が最大の特徴です。桐の粉を固めた「桐塑」の胴体に細い溝を彫り、布地を一枚ずつ木目込んでいく伝統技法により、衣装が肌の一部であるかのような一体感を生み出します。布地の質感や柄の組み合わせが、平面から立体へと命を吹き込み、唯一無二の存在感を放ちます。職人の手仕事によって整えられた繊細な表情と均整の取れた佇まいは、見る人の心に安らぎを与え、大切な空間に彩りを添えます。

 

 

東京の歴史が息づく墨田区向島。塚田工房はこの地で、経済産業大臣指定の伝統的工芸品「江戸木目込人形」の制作に励んでいます。古くから日本の節句文化を彩ってきた木目込人形は、その装飾美と気品ある佇まいで、人々の暮らしに寄り添ってきました。工房では、伝統的な技法を厳格に守りながら、現代の住空間にも調和する人形を追求。日本の美しい年中行事を支える担い手として、一つひとつの人形に命を吹き込み、豊かな生活文化を未来へと継承しています。

 

 

主な受賞歴と栄誉

塚田詠春氏は、長年の功績により東京都から「東京マイスター」に認定されているほか、数々の権威ある賞を受賞しています。


•    内閣総理大臣特別賞(第11回全国新作節句コンクール)
•    東京都知事賞(第13回全国新作節句コンクール)
•    東京マイスター認定(平成20年、東京都優秀技能者)
•    日本伝統工芸展 入選(複数回)
•    東京都伝統工芸士・経済産業大臣指定 伝統工芸士に認定

また、次代を担う塚田伸弘氏も、「東京手仕事」プロジェクトでの優秀賞(令和2年度)や、日本伝統工芸人形新作展、東日本伝統工芸展などで多数の入選を果たしています。

ブランドとしての功績・認証

伝統の枠を超え、現代のライフスタイルに合わせた製品展開でも高く評価されています。

•    The Wonder 500 選定 経済産業省の補助事業として、日本が誇るべき優れた地方産品として「江戸木目込マグネット」が選出されました。
•    すみだブランド(すみだモダン)認証 工房が位置する墨田区より、地域を代表する優れた製品として認証を受けています。
•    東京手仕事(TOKYO TESHIGOTO)採択 東京都と東京都中小企業振興公社による、現代に合う工芸品を開発・発信するプロジェクトに選ばれています。

 

伝統の継承と発信

•    一貫制作の体制: 原型作りから仕上げまでを工房内で一貫して行う数少ない工房であり、江戸明治期の希少な「古代裂(こだいぎれ)」を用いた作品制作など、歴史的価値の保存にも寄与しています。
•    地域文化への貢献: 塚田詠春氏は「墨田区伝統工芸保存会」の会長を務めるなど、地域全体の伝統技術の普及と継承に尽力しています。