片岡屏風店

 

片岡屏風店は、東京都墨田区で屏風の制作や修理を行う工房です。江戸時代から続く伝統技術を継承し、屏風のほか襖や掛軸など表装全般を手がけています。木材や和紙を用いた下地作りから仕上げまで、すべての工程を職人の手作業で一貫して行う点が大きな特徴です。単なる調度品の制作にとどまらず、貴重な文化財の修復を通じて日本の伝統美を後世に伝える役割も担っています。伝統を重んじながらも、現代の暮らしに調和する美しさを追求し続けています。

 

 

片岡屏風店の作品は、木製の格子状の骨組みに和紙を何層にも張り重ねる、日本の伝統的な構造によって制作されています。表面には上質な和紙や裂地が用いられ、空間を彩る装飾品としての美しさを追求しています。特筆すべきは職人の手による紙蝶番の技術であり、これにより前後どちらにも折れる柔軟性と、継ぎ目のない美しい絵柄の連続性を実現しています。丹念な下張り工程がもたらす強度と柔軟性は、長期の使用や将来的な修復を可能にし、世代を超えて受け継がれる堅牢な作りが最大の特徴です。

 

 

屏風は古くから日本で重宝されてきた調度品であり、空間を仕切る機能と高い装飾性を併せ持つ伝統工芸です。片岡屏風店では、長年培われた技術を継承しながら、現代の生活様式や多彩なニーズに応えた作品制作を行っています。また、新たな制作だけでなく、既存の屏風や表装の修理・修復も手がけ、貴重な文化財や美術品の保存にも大きく寄与しています。伝統技術を次世代へと繋ぐ工房として、日々その研鑽を積んでいます。

 

職人としての主な認定・受賞

•    東京マイスター(東京都優秀技能者)認定(2006年) 東京都知事から、極めて優れた技能を持ち、その分野の第一人者と目される職人に贈られる称号です。
•    すみだマイスター認定(1996年) 東京都墨田区において、優れた技術を持ち、次世代への技術継承や地域産業の振興に寄与する職人に与えられる認定です。
•    伝統工芸品産業功労者(2009年) 長年にわたり伝統的工芸品産業の発展に寄与した功績を称え、経済産業省などから表彰されるものです。
•    通商産業大臣特別賞(1992年) 「節句人形コンクール」にて受賞。技術の高さが国レベルで認められました。

ブランド・製品としての評価

•    すみだブランド(すみだモダン)認証(2012年) 墨田区を代表する優れたブランドや製品に贈られる認証です。伝統を活かしながら現代のライフスタイルに合うものづくりを行っている点が評価されています。
•    デザイン賞の受賞(コラボレーション作品) デザイナーと共同開発した「360°屏風」などの製品は、アジアデザイン賞(DFA Award)やグッドデザイン賞など、国内外のデザイン賞を受賞し、伝統工芸の新しい可能性を広げました。

社会的・文化的功績

•    文化財・美術品の修復 国立博物館や寺院などが所蔵する貴重な文化財や、江戸時代などの古い屏風・襖の修復を数多く手がけ、日本の文化遺産の保存に大きく貢献しています。
•    産業振興への貢献 東京都中小企業家同友会の要職を務めるなど、地場産業の活性化や後継者育成、地域コミュニティのリーダーとしても精力的に活動されています。