KAORUKO
KAORUKOは、アイドル歌手「新井薫子」として日本で活動した後、1980年代末よりアーティストへ転身し、2007年以降はニューヨークを拠点に制作を行っている。作品は日本の芸術文化や歴史を基盤に発想を展開し、伝統的な文様や技法を取り入れながら独自の表現として構築されている。独創的な技法構成と主題設定はニューヨークのファインアート界においても強い存在感を示し、多くのコレクターに鮮烈な印象を与えている。

作品のコンセプトは、日本の芸術文化や歴史を基盤に発想を広げて構築されており、表現に用いる多様な制作技法においても日本の伝統を積極的に取り入れている。江戸時代の着物文様を用いたシルクスクリーンや金箔などの技法を重層的に重ね合わせることで、女性の美しさがもつ複雑さと奥行きを表現している。描画には水墨画用の面相筆を用い、髪の毛を一本一本丁寧に描き重ねる。陰影による明暗法ではなく、線を主体とする日本画やアニメーションに通じる表現を採用している点も特徴である。肌の白は麻の葉文様によるシルクスクリーンを基層とし、その下に複数の色を重ねることで、透明感と温かみを備えた独特の質感を生み出している。

日本のアイドルとして芸能活動をしていたKAORUKOは、疲労が原因で病院に療養中に、趣味だった日本画や絵本の創作を学んだのが契機となり、イラストレーター、キャラクターデザイナーとして活動を始める。表現の特徴として、明治、大正時代の着物の紋様のコラージュによる、日本の生活文化を反映させた手法を下地に、現代に生きる女性を投影させた、日本の風土文化とポップ感覚の融合した新たな様式の、ポジティブなフェミニズム像や、日本由来のシンボルやモチーフをテーマにした作品を創っている。


1986年 白士会(日本画)入選
1995年 パルコ アーバナート展奨励賞を受賞