武田 成功
武田成功(1942-2010)は、パート・ド・ヴェールの技法を用いた独自の表現を追求したガラス工芸作家として知られている。
東京藝術大学で日本画を学んだのち、ガラス工芸を手がけていた妻の作業場でガラスの破片に触れたことをきっかけに、同じ鉱物同士であるガラスに岩絵具を溶かすという着想を得た。5年間試行錯誤を重ね、独自のパート・ド・ヴェールを生み出した。作品は東京藝術大学大学美術館をはじめ、山梨県立美術館などに収蔵されている。
武田成功は、古代から伝わるパート・ド・ヴェールの伝統的な技法を基盤としながら、ガラス造形と岩絵の具を組み合わせた独自の造形表現を追求した。作品は、日本の四季をモチーフとしたものが多く、日本画で培った繊細な色彩感覚で桃色・青磁色・藤色といった淡く儚げな色合いで幻想的な世界を形づくる。
パート・ド・ヴェールは、古代メソポタミアに生まれたとされるガラス技法。型の中にガラスの粒を糊で練って入れ、型ごと焼成し、型を壊してガラスを取り出すという非常に手間のかかる技法である。吹きガラスの発明とともに一度姿を消したが、19世紀末のアール・ヌーヴォー時代のフランスで復興した。武田成功は、この長い歴史を持つ技法を用いて独自のガラス表現を追求した。
主な展覧会
2016「水と光の幻想」
千住博(日本画)・武田成功(ガラス)
薬師寺・国宝 東院堂、奈良